2018年7月5日木曜日

「笑い」の因数分解

新聞の特集で爆笑問題の太田が仕事観についてインタビューを受けている。

失敗してなんぼとか、ネタつくりは大変だとか。それは自己啓発の意味合いも含め良いと思う。

その中で談志師匠との話が出てくる。そこで太田は笑いの本質とは何かを的確に言い当てている。「ああ、なるほどな」と。爆笑問題と談志師匠の笑いの質が似ていることも頷けた。

評論家ではないので、笑いとはなんぞやと説けるほど偉そうなことは言えない。ただ、一流の芸人の言葉を拾い集めてみると、みんな同じことを言っている。(実際、大学で笑いの講義も受けた)

テンポ・間・リズムなどはテクニックの部分。「観客が呼吸するときが一番ウケる」というのは大御所の金言。そこに何を対象に笑いへ昇華していくかというのは、芸人のアイデンティティーが関係してくる。笑われてんのか、笑わせてんのか、攻めなのか、受け身なのか。

だけど、笑いの構造を一流の芸人が分解して説明してしまうと、素人は変に知ったかぶって、笑うところで蘊蓄を垂れる。新聞を読んで笑いで人生のつらいことや嫌なことを忘れたいと思ったとき、なんだか素直に笑えなくなるような気がした。

核心部分は見せずに、「この芸人やっぱり面白いな~」というところで線引きしてもらわないと、計算された何かを荒さがししてしまいそうで白ける。やっぱりプロはどんな分野の人でもファンにスポットライトの部分だけを見せてほしいと思った。