2020年の除外競技を巡って、すったもんだが起きている。
除外対象に突如としてレスリングが挙がったことで、その選考過程の不透明性や欧州出身理事の利害関係などが取り沙汰されているが、問題の根っこは今に始まったことではない。
既にマスコミに取り上げられている経緯は敢えて事細かに書かないが、私が危惧するのは「競技の優劣」がオリンピックの正式競技に採用されるか否かで決まってしまうのではないかということである。
今回除外対象になった競技で最終的に近代五種と争ったわけだが、どちらが残っても文句が出るのは目に見えている。まず、なぜ除外対象として、ホッケー、テコンドー、カヌー、近代五種、レスリングが候補に挙がったのか、その説明がなされていない。逆に言えば次回のオリンピックでなんで、ゴルフとラグビー(七人制)が採用されたのかもよくわからない。
はっきり言ってゴルフなんてメジャー大会があるわけだし、先進国でしか普及していないのは明らかなのに・・・。私自身もお金がなければゴルフをやろうとは思わない。観るのは好きだが。
次に、なんでレスリングが外れたのかということだ。ぶっちゃけていえば、テレビに向いていない、スポンサーが付かないといった、商業主義的観点から外されたのは容易に推測できるが、レスリングに励んでいる子どもに対して、こんな説明を大人ができるか!?筋の通った説明ができないということは、除外理由が曖昧であり、一部の人達の思惑で決定されたとしか言いようがない。
正式競技から外れるとなったら、まず、若い人達は競技から離れていくだろう。アマチュアスポーツの最高峰にその舞台が用意されていないのだから。それはマイナースポーツへの移行を意味し、競技人口が減る最大の要因となる。
どの競技も皆、優劣をつけることなどできず、そもそもそのスポーツを楽しむことがオリンピックの原点であるように私は思う。そして、オリンピックの競技として採用されるべき基準が個人的に必要であるべきだ。
それは至って簡単な基準だ。
①競技の普及率が高いもの。
②競技のコストパフォーマンスが低いもの。(何度も引き合いにだして申し訳ないが、ゴルフが子ど
もの身近なスポーツとは到底思えない。)これは道具、設備等、その競技に対してどれだけお金を
かけずに楽しむことができるかということである。陸上は極端に言えばコストパフォーマンス0であ
る。
③競技の伝統(たとえば、日本で近代五種をテレビで見られるのはオリンピック以外そうあるもので
はない)これは、①と矛盾しているように思えるが、人気競技ばかりが正式競技に
採用されては公平性という観点から望ましくない。
現代の商業化路線を取るようになってから、オリンピックはいつの間にか「アマチュア」のスポーツの祭典ではなくなった。スター選手が次々に参加し、その規模は拡大し続けている。その弊害が今回の騒動で浮き彫りになった格好だ。
個人的にレスリングが残って欲しい気持ちは強いが、仮に残ったとしても今回の問題が解決された事にはならない。
0 件のコメント:
コメントを投稿